リバーブ = 空間デザイン
リバーブを「残響を足すエフェクト」だと思っていないか?
それは半分正解で、半分間違い。
リバーブは「音が存在する空間」を定義するツール。使い方次第で、リスナーを小さなスタジオにも大聖堂にも連れていける。
空間の3つの要素
1. 広さ (Size)
部屋の大きさ。パラメータで言えばRoom SizeやDecay Time。
| 設定 | イメージ |
|---|---|
| 小 (0.5-1s) | クローゼット、車内 |
| 中 (1-2s) | スタジオ、リビング |
| 大 (2-4s) | ホール、体育館 |
| 特大 (4s+) | 大聖堂、洞窟 |
2. 距離 (Pre-delay)
音源からリスナーまでの距離感。
- 0ms: 音源が目の前
- 20-50ms: 自然な距離感
- 80ms+: 遠くから聞こえる
3. 質感 (Damping/Character)
壁の素材が何かを決める。
- High Damp: カーペット、布張り(温かい)
- Low Damp: コンクリート、ガラス(冷たい)
実践: 空間を設計する
ボーカルを「前に出す」
Pre-delay: 30-50ms
Decay: 1.2s
High Cut: 8kHz
Mix: 15-25%
ポイントはPre-delay。これがないとボーカルが奥に引っ込む。
ドラムに「空気感」を足す
Room Size: Medium
Decay: 0.5-0.8s
Early Reflections: 強め
Mix: 10-15%
ドラムには短めのRoom系がハマる。長いリバーブは濁りの原因。
シンセパッドを「空間に溶かす」
Decay: 3-5s
Diffusion: 高め
Pre-delay: 0ms
Mix: 40-60%
パッドは空間の一部になっていい。ウェットに振り切る勇気。
よくある失敗
1. 全トラックに同じリバーブ
各楽器の「居場所」が同じになり、奥行きが消える。
解決策: センドで複数のリバーブを使い分ける
2. ローエンドの濁り
低音にリバーブがかかると、ミックスが濁る。
解決策: リバーブ入力にハイパスフィルター(100-200Hz)
3. Decayが長すぎる
余韻が次の音とぶつかる。
解決策: テンポに合わせてDecayを設定(BPM120なら1秒前後)
おすすめリバーブ
| プラグイン | 特徴 | 用途 |
|---|---|---|
| Valhalla Room | 万能、軽い | 何にでも |
| FabFilter Pro-R | ビジュアル最高 | 音作り込み |
| Soundtoys Little Plate | プレート一択 | ボーカル |
| UAD Capitol Chambers | 実機モデリング | 雰囲気重視 |
まとめ
リバーブは「空間を創造する」ツール。
- どんな広さの部屋か
- 音源との距離はどれくらいか
- 壁の素材は何か
この3つを意識するだけで、ミックスの「空間」が変わる。
この記事は MASHROOM STUDIO の制作メモです。